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人間は理性的な社会を構築し尊重しあう動物である、というのは人間社会での最低限守るべき原則である。そのために、様々な経済的、社会的、政治的なシステムが発明され、人々はそれらを受けいれることで社会を正常化を維持し発展させてきた。しかしながら、我々の理性の根源はどのような場で発生しうるか、またはそれらは人間社会にどのような影響を与えうるかは、それぞれの地域による社会通念や歴史に準拠することが多いはずなのだが、一方でどこか世界基準的な一つの法則が世界を覆っているのではないかという研究も存在する。今回は、2004年からの自身の制作活動のなかから「理性」という領域に関わる映像作品に軸に、初めて構成したセルフ回顧展。また2016年3月からウィーン滞在となるため、この展示が同時に、出国記念展となる。